2023年3月29日版

ワークショップ開催にあたり

社会連携講座「将来航空推進システム技術創成」は,将来の航空輸送が広く社会に受け入れられ,持続的に発展するために不可欠な,安全で高度な環境適合性を有する革新的な航空推進システムの実現を目指した先端・基盤技術の創成ならびに人材育成を目的として,株式会社IHI のご協力のもと,2012年12月に東京大学工学系研究科航空宇宙工学専攻内に設置されました。

オープンワークショップは本講座が年1回開催しているもので,講座の活動を広く皆様に知っていただくとともに,将来の航空推進技術について,学外の多くの方々と話し合うことを目的としています。2019年度は残念ながらコロナウィルスの蔓延に伴い実施することができませんでした。2020年度も緊急事態宣言が頻出される中でしたが皆様にとってもweb会議システムの利用が身近なものとなったためwebexを用いて実施し中学生から官庁関係者の方まで過去最多の206名の方にご参加頂きました。民間航空業界のカーボンニュートラル化に対する関心の高さとweb会議システムの気軽さによる効果と分析しております。2021年度は緊急事態宣言や蔓延防止等重点措置が頻出される状況でしたが、コロナウィルスに対する対処法が徐々に判明する中で、東京大学武田ホールをキーステーションとして対面とwebexのハイブリッド開催により、対面ならではの講演者同士のスムースな対話・議論と、webならではの気軽さを融合した新しい開催方法により実施されました。

今年度は講座の第4期の初年度です。

そこで前半では、環境・エネルギー・ものづくりの3研究会ごとの第4期の目標に向けた研究開発の初年度の活動について紹介いたします。後半の基調講演では、JAXAの西沢啓氏に電動推進航空機の最新情報を広い視点からご講演頂く予定です。

長らく2050年に2005年比二酸化炭素排出量50%減の長期目標で進んできた民間航空業界ですが、2021年に実施されたCOP26を契機にATAG、IATAは長期目標を2050年に二酸化炭素排出量実質0にするよう上方修正し、より一層の技術革新が求められています。それに伴い、世界的な研究の進捗とともに、例えば、航空機の代替エネルギーとして、無人機・空飛ぶ車・コミューター機では電動推進、単通路機では短距離は液体水素・長距離はSAF、複通路機ではSAFが本命ではと一定の収束を見せつつあります。一方で、これら代替エネルギーは、現行の灯油に比べてコストが非常に高く、更なる燃費向上が強く求められ、境界層吸込推進(BLI)や全翼機(BWB)をはじめとする機体推進機統合、液体水素等の冷熱を活用したガスタービンサイクルの改良など、従来の常識を超えた新しい技術への挑戦が求められています。

本オープンワークショップでは、上記の背景を踏まえつつ、特に学術的な観点から問題となる点、克服すべき点について考えます。航空エンジンに携わる方をはじめ、幅広い分野から多くの方々のご参加をお待ちしております。

開催概要

○ 日程: 2023年3月30日(木曜日)ワークショップ10:00~17:20 懇親会17:30~19:30

○ 会場: 東京大学本郷キャンパス 山上会館 本館 大会議室・Webexによるハイブリッド開催

○内容:詳細はpdf版をご覧下さい。
10:00~10:15:開会挨拶・概要説明 渡辺紀徳 (東京大学)
10:20~11:35:講座紹介1:ものづくり研究会第4期令和4年度活動の総合報告
11:35~13:05:昼休み(近隣のレストラン等で各自お取り下さい)
13:05~14:20:講座紹介2:環境研究会第4期令和4年度活動の総合報告
14:25~15:40:講座紹介3:エネルギー研究会第4期令和4年度活動の総合報告
15:45~17:00:基調講演 西沢啓 氏(国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構 航空技術部門 電動ハイブリッド航空機チーム長)
17:00~17:15:IHI挨拶 竹川光弘 氏(株式会社IHI)
17:15~17:00:閉会挨拶 渡辺紀徳(東京大学)

17:30~19:30:懇親会(山上会館地下レストラン「かどや」(お申し込みされた方のみ)

参加費

○ ワークショップ参加費: 無料(※事前参加登録が必要です。)

○ 懇親会参加費: 7,000円(※学生は割引いたします。参加者の人数比で決まります。)

参加登録

登録はこちらのwebサイトからお願いします。(申し訳ありません。締め切りました。

Webexへのアクセス

3月29日(水)ごろに、Webexのアクセス情報を送信致します。
基本的にはリンク先をクリックして頂ければ、そのまま接続可能です。

お問い合わせ先

本ワークショップに関連したお問い合わせは,
ワークショップ事務局(workshop@aeroeng-lab.t.u-tokyo.ac.jp)までお願いします.