研究内容

本講座は、将来の航空輸送が広く社会に受け入れられ、持続的に発展するために不可欠な、 安全で高度な環境適合性を有する革新的な航空推進システムの実現を目指した先端・基盤技術の創成ならびに人材の育成を目的として、 以下の研究課題に取り組みます。

  • 環境適合性の飛躍的な向上(環境負荷低減分野)
    (省エネルギー化、低排出物化、低騒音化等)
  • 機体/エンジン統合最適化(エネルギーマネジメント分野)
    (エネルギーマネジメントの高度化等)
  • 素材・ものづくり技術の高度化(ものづくり分野)

以下、それぞれの課題について研究概要をご紹介します。

環境負荷低減(環境テーマ)

Active/Passiveを問わず、「流れを制御する」をキーワードに、航空エンジンにおける大幅な省エネルギー化、 低排出物化、低騒音化を実現する革新的な要素技術の研究を行います。

翼列における広帯域騒音の発生メカニズム解明と低減

TBU

ターボ機械の翼振動,空力弾性

  • 流体構造連成解析による遷音速ファンフラッターの予測
  • 製造ばらつき(ミスチューニング)の影響評価

LESによる翼列流れの圧縮性乱流解析

  • 高精度圧縮性乱流解析コードの開発
  • 遷音速ファン翼列の不始動流れの非定常解析
  • 圧縮機・タービン翼列流れの乱流遷移

ケーシングトリートメントによる旋回失速抑制メカニズム

 

 エネルギーマネジメント(エネルギーテーマ)

航空機技術におけるパラダイムシフトを先導するため、従来の航空エンジン分野の研究者の枠組みを超えた 分野融合的な研究者のネットワークを構築し、革新的な航空推進システムの概念検討と鍵となる要素技術の見極めを行います。 本研究は宇宙航空研究開発機構(JAXA)との共同研究として実施しています。

  • 革新航空推進システム概念の検討
  • モータ・電源等要素技術の研究
  • エネルギー利用最適化の研究(More Electric Engine (MEE), More Electric Aircraft (MEA))

 

ものづくり技術(ものづくりテーマ)

日本の競争力を支える素材・ものづくり技術をベースに、 将来の航空エンジンの発展に大きく寄与できる可能性のある新材料およびその製造プロセス、 ならびに革新的なモノづくり技術の研究を実施する。

  • 繊維強化複合材料の強度評価技術の向上